日本の皆さんが”エチオピア”と聞く機会は国際的なマラソン大会ぐらいでしょうか?もしかしたらアフリカの国であることをご存じの方も少ないかもしれません。この国は他のアフリカ諸国にはない特徴をいくつも持っています。原産国に思いを馳せながらテフを食べたらより美味しく味わっていただけるかもしれません。
唯一の植民地化されていないアフリカ大陸の国
アフリカ大陸の東側に位置し、イタリアに攻め込まれたものの植民地化されなかったアフリカ唯一の国です。そのため、独自の言語や文化が残っています。そのため、13ヶ月ある独自の暦や時間が存在します。ですからエチオピアの人と待合せをする時は”どこの暦か””どこの時間か”の確認が必須!
また、多くの国の文化に宗教が重要な役割を担ってきました。エチオピアも例外ではなく、エチオピア聖教というエチオピア独自のキリスト教派の宗教があります。なんと映画インディ・ジョーンズ 失われたアークでも登場した十戒が刻まれた石版を納めたとされる箱があると言われているのもエチオピア。世界遺産はアフリカ大陸最多の9つと見どころ満載の国なのです。
人類、コーヒー始まり地であり政治の中心地
”LAND OF ORIGN”はエチオピア観光局のキャッチフレーズ。現在、最も古い人骨が発見されているのはエチオピアであることから人類発祥の地と言われています。また、コーヒー発祥の地としても知られ、コーヒーなどの輸入食品販売店「カルディ」の名前はコーヒーをはじめて発見した少年の名前から来ています。今でもイルガチェフェやリムなどコーヒーはエチオピアを代表する特産品です。エチオピアには、日本の茶道のようにコーヒーで来客をもてなすコーヒーセレモニーという文化があります。
また、アフリカ連合の本部があり、アフリカ政治の中心地でもあるアフリカ諸国の中でも注目すべき国の一つなのです。
裸足のランナーアベベを生んだマラソン大国
最初に書いたようにエチオピアはマラソン強国。ローマ五輪、東京五輪と2大会連続で金メダルを獲得したアベベ・ビラキをはじめ多くのメダリストランナーを輩出しています。強豪国である理由として、エチオピアが標高が比較的高い国であること、そしてテフが主食であること!テフはスポーツにおいてパフォーマンスの向上効果が期待され、実際、エチオピアのナショナルチームはもちろん日本のマラソン実業団や大学がテフを採用しています。
日本との意外な関係
アフリカとの直行便があるのはエチオピアとエジプトだけ。しかもエジプトは2013年から2017年まで運休していたこともあり、日本とアフリカを長年繋いできたのはエチオピアと言っても過言ではありません。
エチオピアは少し前まで皇帝が治める国でした。エチオピア帝国時代、日本が日露戦争で勝利し、当時のエチオピア皇帝は日本に強い興味を持っていました。以来、抵抗帝国時代が終わるまで、皇室外交が続き憲法を策定する際は大日本帝国憲法を参考にし作成したり、第2次世界大戦後、多くの国が日本を敵国として見る中、エチオピア皇帝が戦後初の国賓として訪れたという歴史があります。皇帝ハイレ・セラシエは日本好きでも知られ、現在大統領府として使われている旧宮廷には茶室がある日本庭園もあります。
もっとエチオピアを知りたい方は駐日エチオピア連邦民主共和国大使館のWebsiteを御覧ください。
http://www.ethiopia-emb.or.jp/